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最終痴漢電車

メーカー:
アトリエかぐや

 

 タイトル通り痴漢モノです。痴漢モノのタイトルってどうしてこうも店頭売りのスポーツ新聞の中程に載ってる官能小説風味にオッサンくさいセンスなのかと思いつつも、オッサンの域にジワジワと近付きつつある身としてはあまり糾弾する気にはなれず。

《電車好きのオレは昔からの夢を叶え、とある路線の職員として働いている。が、万年赤字を理由に遂に廃線、そしてオレや同僚が全員解雇という噂が。今までもそんな噂がまことしやかに囁かれることはあったが、どうやら今回は本当に危ないらしい。せっかく手に入れたオレの夢、手放してなるものか。そこでオレは同僚たちと結託し、金さえ払えば、痴漢し放題という最終電車、『最終痴漢電車』を走らせることにした。女はオレが長年培ってきた痴漢のテクニックで連れてきてやるぜ》

 というのが話のあらましではあるのですが、エラい破綻してます。一路線とは言え、廃線も視野に入れるリストラを考えてる路線の赤字を最終電車1本で埋めるには一体痴漢からいくら金をせしめればいいのか。また、鉄道職員になるのが夢だったと言いつつも痴漢の常習者という主人公はイスラム教徒がメッカで野グソ級に罰当たりなのではないか。考え出すといくらでも綻び・疑問が出てきます。が、エロゲーなんですから、多少のアレさには目を瞑っておくべきでしょう。なら書くなよ。

 ターゲットとなるのはOLとロリ学生にメガネ学生、そして本命奥さんと、デフォルトで4人。痴漢行為のミニゲームに失敗すると登場する婦人警官(最近は女性警察官でしたっけ?)に、突如主人公の前に現れる妹っ娘。デフォルト4人衆をエンディングに突入しないように全員攻略するとイヤミな女上司に対しても文字どおりの春闘を仕掛け、身体と身体の性交渉でベアアップとリストラ回避を迫ります。オレのお気に入りはもちろん奥さん。あとエロシーンがたったひとつなのに、そのエロシーンが妙なまでに気合たっぷりで存在感のある女上司も気になるところ。や、白状すると気になるどころか既に何度か奥さんといっしょにゴチになってます。

 ゲームの進行は駅舎を出ると路線図が表示され、駅にカーソルを持ってくとどの娘さんがいるのかが表示される親切設計ですが、娘さんグラフィックが表示されたからと言って必ずしもそこにいるわけではなく、“いるかもしれない”“いたら嬉しいね”の確率勝負。気になる娘さんが表示された駅を発見できたらクリック一発吶喊です。運がいいとエンカウント、悪いともちろんエンカウントできずに次のフェイズへ。3回くり返すと1日が終わり、約2週間の間になんらかの結果を残さないと寂しいエンディングを迎えることになります。

 デフォルトの4人は痴漢、弱味を握るためのセックス、最終痴漢電車でギャングバンをそれぞれ2回ずつこなさせると個別エンドを迎えることができ、それ以外はそれぞれのフラグを立て、ルートを通過するとエンディングです。一番笑えるのは女性上司ルートのエンディングでしょうか。一介のヒラ駅員が数年で駅長にという島耕ばりの出世をし、朝日に包まれながら後輩に呼ばれて仕事に向かう主人公。餌食にした5人の女性のことは回想はすれど悔恨はなし。流れ星を見つけると「明日の世界が幸せでありますように」と祈らずにはいられないオレには後味があまりよろしくないですな。てっきり誤運転の電車が突っ込んできてThe Endと思ったのにー。

 痴漢ゲームの醍醐味である痴漢部分ですが、これまで幾本もの痴漢ゲームで繰り返されてきたマウスカーソルを乳や局部に持ってってひたすらドラッグというものではなく、お触りしたい部位をクリックすると突如横に流れる『DDR(ダンスダンスレヴォリューション)』としか形容できないミニゲームがはじまります。右から左へ流れてくる★マークや▲マークをマウスの連打で移動させることのできる指カーソルに上手に合わせると標的の快感度が上がり、間に合わずにそのまま流してしまうと忍耐度が上がってしまい、忍耐度がMAXになってしまうと痴漢失敗、快感度をMAXにすると標的をイカせたことになり、痴漢成功。次のステップに進むことができます。また、時折流れてくる脱マークや挿マーク、バイブレータマークを消すとそれらのコマンドが使用可になり、グラフィックにも変化が見られ、痴漢らしさは出てると言えるでしょう。

 要するに痴漢行為をミニゲームで代替し、他の痴漢ゲームと差別化を図ってるわけですが、正直なところ、この試みは成功してるとは言えません。既存のダイレクトに乳を揉んだり局部を擦ったりできる痴漢ゲームのほうが圧倒的に痴漢の雰囲気が出てますし、興奮もします。ミニゲーム自体はそれなりには面白いんです。難易度をゲーム中にも変えることができるものの、『やさしい』にしてしまうと快楽度の上昇具合が大きくなり簡単に目標に到達してしまうので、幾重にも変化するCGを見逃すことになってしまい、結局は修練に修練を重ねて『普通』なり『難しい』で遊んだ方がCGの回収率が良くなるバランス作りなんかは遊ぶ側の欲望を見事にゲーム攻略への熱意に変換した好例と言えます。ですが、このミニゲームと痴漢行為の間には違和感というか、隔たりがあります。そう、RPG風のフィールドを歩いててモンスターとエンカウントしたと思ったらいきなしテニスがはじまったみたいな。や、あれはあれで面白かったからここで喩えに出すのはおかしいか。

 エロシーンは主人公とのタイマン勝負も最終痴漢電車でのギャングバンもどちらも男性上位の鬼畜風味。女の子はとにかくよく喋ります。音声自体はこの御時世、あんまし珍しくないんですが、インディーズAVのように喘ぎながらベラベラ喋りまくるのです。普通、ここまで喋られると半ばギャグになってしまうのですが、ライターさんに構成力があるのでしょう、ギャグにはならずにしっかりとエロ要素のひとつとなっております。

 CGは中の上。見どころのあるエロ絵はあるのですが、どー見ても立ち絵とキャラが違うじゃねーかってのがいくつか見受けられたので辛めの評価。キャラ自体はそんなに悪くはないんですが、あともうちょっと鼻が上の方にいっちゃって目と目の間に位置するとヤバそうですね。なにが?

 CGモードと回想モードは当たり前のように装備されてるので、いつでも好きな時にかろやかに望みのままにオナニーすることができますが、回想に痴漢部分が収録されてないのは大いに不満。これは今からでも構わないので感謝パッチという名の修正を出していただきたいところ。

 これまで何本も世に出た痴漢ゲームとの差別化をし、独自性を出そうとした意気込みは良かったんですが、上記にもあるとおり、成功してるとはお世辞にも言えません。エロシーンの台詞責めにそんな不満を簡単に吹っ飛ばす強烈なパンチ力を持ってると言えますが、それって要するにゲームの不備をエロさに助けられてるわけで。ですが、エロさの不備をゲームの部分に助けられてるゲームとどっちがいいのかなぁと考えると、やっぱりこっちだよな、うん。

11/07/2001

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